オーイ!とんぼ(トカラ列島)【舞台探訪・聖地巡礼】
2011年から「週刊ゴルフダイジェスト」にて連載中のゴルフ漫画『おーい!とんぼ』の舞台となっているトカラ列島を訪問して来ました。本作は1~7巻が「トカラ編」となっており、トカラの中心的な島、中之島を中心に物語が進行します。作中では中之島は火之島、悪石島が悪礫島となっており、一応架空の島という形になっていますが、その他の島の名前はそのまま登場しており、作中で具体的に描かれるこの2島だけ敢えて島の名前をアレンジしたようです。

実はトカラ列島に赴くのは初めてではなく、2015年に宝島を訪れたので2回目の訪問です。その際には本作の事は知ってはいたのですが、実は三島村に行く船に乗る予定が欠航になってしまい、セカンドプランだった十島村行きをその場で決めた為、何の準備もしていなかったのと、初訪問だったので一番奥の島まで行ってみたいという興味が勝り、宝島行きを決めました(一番奥の島まで行けば船からその他の島を全て見れるからです)。


その際には、鹿児島港の船の待合所に本作の試し読み版が置かれていたり、ポスターみたいなものも掲げられてたのですが、今回はこれらは見当たりませんでした。撤去されてしまったんですかね…。ちなみに宝島にある十島村役場の出張所にも同じポスターが掲示されており、出版社側がプロモーション展開をしていたことが伺えました。今もあるのか知りたいものです。


本作は、ゴルフ雑誌に連載されている漫画であるにも関わらず、心を揺さぶる少女の成長譚にもなっており、その面白さはホリエモンこと堀江貴文氏の折り紙付きです。漫画好きで知られる堀江氏は、以前にこの作品を書評で取り上げていました。幸い私はゴルフのルールや文化は分かるのですが、分からなくても十分に面白い漫画になっているので、是非、読んで頂きたいと思います。特にトカラ編のラストとなる7巻は、ハンカチ無しでは読めないと思いますね。この7巻はゴルフ要素が全くない巻です。
そんな訳で、ずっとそのメイン舞台たる中之島に赴きたいと思い、モデルの特定や訪問用資料なども準備を整えていたのですが、いざ宿を取ろうと思ったら、まさかの全宿満室。フェリーは週2便で空路はありませんので、中之島に上陸するには民宿の予約が必須です。十島村や三島村などの離島では、こういうケースはよくあります。元々宿泊施設が僅少であることや、工事関係者が大人数で長期滞在したりといったことが要因です(表向きはそういうことになっていますが、本当は別の事情もあったりしますね…)。


今回、往路・復路とも中之島沖にNTTコミュニケーションズグループの海底ケーブル敷設船「きずな」が停泊していたのですが、どうもこのインフラ関係工事で滞在者が多かった様で宿が取れなかったみたいです。実際、中之島では結構な数、会話の内容からNTT関係者と思われる方々が降りていきましたし、船上からも工事関係者なんかが見えました。


そんな訳で、中之島は諦めて、舞台となるもう一つの島、悪石島に赴いたというわけです。といいながら、中之島の登場箇所には港も含まれ、船上からでないと回収できないカットもありますので、それらに関してはばっちり写真に収めてきました。また、一部、鹿児島市も登場しますので、本記事で紹介するのは「悪石島」を中心に「中之島」「鹿児島港」「フェリーとしま2船内」の4か所ということになります。


早速、比較写真を…というところですが、私の別の趣味である離島訪問について発表する場がないので(自分のやっているブログはこれのみで、このブログは舞台探訪・聖地巡礼についてのみ取り上げると決めているためです)、このブログを本作の舞台に赴く人の為の交通・宿泊案内も兼ねて、「フェリーとしま2乗船記」、「悪石島訪問記」的な形で書こうと思うので、余分な要素が多く、長文になりますがお許し下さい。
実は僻地の離島というのは、これだけネットが充実した今の世にあっても、意外とWeb上に知りたい情報がなかったりするものなのです。これでも悪石島が訪問離島143島目である位には島を巡っていますので、離島訪問者の視点から、旅に必要な情報を盛り込みたいと思っているので、「おーい!とんぼ」目的ではなく本記事を訪問した人にも、参考になる内容になれば幸いと思います。
【鹿児島港】

先ずは、トカラ列島行きの船が出る鹿児島港から行きたいと思います。いがいががとんぼに嘘を付いて鹿児島に出ていく際に登場します。ドルフィンポートという複合商業施設です。

船の乗り場からすぐ近くですので、フェリーの出港まで時間を潰すのにもいい場所です。土産物屋から飲食店、雑貨から家具、呑み屋やコンビニまで何でも揃っています。フェリーの乗船開始は21時、出港は23時なのですが、こちらに入っているコンビニは21時で終了なのでご注意下さい。

鹿児島港発着の航路は多いので、船を眺めているだけで面白いですよ。しかも雄大な桜島をバックに見ることができるので。写真左手前に停泊しているのが、トカラ列島行きの村営定期船「フェリーとしま2」です。船の出発は23時ですが、初めての訪問なら日が暮れる前から港あたりをうろうろすることをオススメします。今回の旅で、鹿児島発着航路のフェリーは殆ど全部見れたんじゃなかなって感じですね。


鹿児島野―竹島・硫黄島・黒島<フェリーみしま>/鹿児島―種子島<プリンセスわかさ>


鹿児島―奄美大島・徳之島・沖永良部島・与論島・本部・那覇<フェリー波之上>/同航路<フェリーあけぼの>


鹿児島―奄美大島・徳之島・沖永良部島・与論島・本部・那覇<クイーンコーラル8>/同航路<クイーンコーラルプラス>


鹿児島―喜界島・奄美大島・徳之島・沖永良部島<フェリーきかい>/同航路<フェリーあまみ>

鹿児島―屋久島<フェリー屋久島2>
「フェリーとしま2」には浴場はありませんが、シャワー室は設置されています。ただ、有料ですし、1室しかないので、事前に鹿児島港周辺の温泉施設で湯に浸かっておくことをオススメします。鹿児島市街は桜島という絶賛活動中の活火山が目の前にあるような土地柄なので、温泉施設は充実しています。いわゆる町中の銭湯が、鹿児島の場合、普通に天然温泉なのです。港の一番近くの温泉だと「かごっま温泉」ですかね。ここは2015年に宝島に訪れた際に、フェリー乗船前に入泉しました。としま旅客待合所からちょうど1km位の場所にあります。390円という料金も魅力的です。天文館にある「ホテルニューニシノ」に併設されている天然温泉&サウナもちょうど1km位の距離です。ただし、こちらは男性専用で、料金も銭湯というより健康ランド的設定ですね。今回は悪石島から鹿児島に帰ってきた夜にこのホテルに宿泊したので、こちらも入泉しました。


ただ、実は意外と近い隠れたオススメ温泉がこちら、桜島にある国民宿舎レインボー桜島に併設された「桜島マグマ温泉」です。直線距離は3km弱ありますが、フェリーとしま2の乗船場と桜島行きのフェリー乗り場は800m程しか離れていないため、桜島港のすぐ近くにあるこちらの温泉までは徒歩での距離は1.2km位のものです。桜島フェリーの往復料金が掛かってしまいますが、たかだか片道160円ですし、入泉料は390円と割安です。市街地の銭湯的なつくりの温泉と違い、いわゆる日帰り温泉施設といった感じで、シャンプー・ボディーソープ等も設置されていますし、湯上りに休む休憩スペースもあります。今回はここで19時位まで時間を潰しました。


桜島側にいると西側が鹿児島市街になるので、錦江湾の向こうに沈む夕日を拝むことができます。日没前後の桜島フェリーも最高でした。




というわけで、こちらが鹿児島港のトカラ列島行きの船が発着する場所。実際に乗る時は夜で真っ暗なので、昼間に撮影したものです。


待合所の中はこんな感じ。こちらで乗船券を購入します。乗船開始となる21時前くらいは、結構な人の数で待合室は賑わっています。
【フェリーとしま】
さて、次は鹿児島~トカラ列島~奄美大島を結ぶフェリーについでです。トカラ列島は諏訪之瀬島に飛行場(場外離着陸場だけど…)があったりはしますが、定期運行便はなく、このフェリーが現実的には唯一の訪問手段となります。


週に2往復の運行となっており、23:00に鹿児島港を出港し、翌朝、トカラ列島の各島に寄港し、15:20に奄美大島は名瀬に到着し、翌日の深夜02:00に名瀬港を出港し、トカラ列島各島に寄って18:20に鹿児島港に着くというスケジュールになっています。そのため、島では最低1泊が必須ですが、逆に云えば島に1泊でトカラ列島に行って帰ってくる事が出来ます。週末なら金曜日23:00に鹿児島港を出港し、日曜日の18:20に鹿児島に戻ってくるスケジュールですので、平日勤務の社会人でも大阪位に住んでいればギリギリ休暇を取らずに行って帰ってくることが可能なスケジュールです。ただし、時刻表通りに船が運航すればの話ですが…。今回、私が訪問した際は定刻通りに鹿児島を出港して、定刻より15分早く鹿児島に戻って来ましたが、以前に宝島を訪問した際は1時間以上遅延しました。また、欠航・抜港のリスクもあるので、現実的には怖くてなかなか週末だけで会社員が訪問するのはリスクが高いですけどね。ただ、船が2018年に新しくなって元々の運航スケジュール自体も以前の船の時より30分も早く鹿児島に着くようになっていますし、2時間位なら遅れても、博多駅までの新幹線には間に合います。

さて、今回行きは2等の指定寝台、帰りは2等を使用しました。指定寝台は予約が出来ますので、事前に電話で予約を入れておきます。多客期でなければ満席にはならないとは思いますが、何があるか分からないですからね、離島は。イベントや祭りとか、工事とか、何かの理由で満席になる可能性もありますので。

21時から乗船が可能ですが、予約席の受付は21時までとなっているため、予約を入れた場合は21時までに乗船場の受付に行かねばなりません。ここでお金を支払い、乗船券を受け取ります。2等は往復で買えますので、基本往復で購入しましょう。島で乗船券を買うのは面倒臭いです。港で販売している訳ではなく、役場の出張所などが販売窓口です。他の島に寄るとか奄美に抜けるとかでないか限り、どうせ復路もフェリーを使う訳ですし、指定寝台は等級は同じく2等で付加料金を支払って指定寝台を取るという概念の為、往路は指定寝台、帰りは2等という形でも、往復購入可能です。指定寝台の場所は、乗船券を購入の際に指定され、右上のF-〇〇となっているところが自分の席になります。
では、それぞれの席がどんな感じかという事についてです。

フェリーとしまの客室は1階・2階となり、1等×2室、2等(指定寝台)×6室、2等×10室あります。2等室の数え方は区切れ目が微妙なところがありますが…。また、これらの通常の客室とは別途、女性専用室と75歳以上の高齢者の方用の特別室が設けられています。「多目的室」と書いてあるのがそれです。
■1等






たった2室しかない最も高いグレードのお部屋です。私が宿泊したわけではないですが、鹿児島に下船直前にこの部屋の方が出てきたので、中をお見せ頂きました。指定寝台と同じタイプのベッドが4つ並んでおり、ゆったりくつろげそうなテーブルと椅子が用意されていました。船主側に位置しており、窓からの景色もよさそうです。テレビや冷蔵庫もあり、とても快適そうでした。お金があったら是非、使ってみたい…。なお、この部屋はベッドが4つでしたが、1等のもう1室はベッドが2台の部屋だそうです。そちらは入っていないので写真はありません。
■2等(指定寝台)






A~Fまで全部で6室あり、1室につき4つの寝台があります。全室確認したわけではないですが、多分、スペース的に全室4寝台だと思います。となると、全部で24名分しかないということになり、意外と少ないなという印象です。各部屋に、テレビと時計がありますが、基本的に相部屋なので、全員同じグループでない限り、ちょっとテレビは付けにくいですかね…。同寝室のテレビに一番近い乗客がザッピングしながら、好き勝手に結構大きな音量でテレビを見ていて、正直言ってうるさかったです。消灯時間になったら勿論消してましたが、はっきり云って相部屋前提の部屋にテレビはかえってない方がありがたいと個人的には思いますね。テレビを見たい人はパブリックスペースで幾らでも見れますし。ベットはかなりふかふかで柔らかいです。照明とコンセントも各寝台にありますので、何も困ることはありません。2等の料金にプラス4000円で指定寝台が利用できます。
■2等






最低ランクの2等でもこのクオリティ。各自にマットレスがあり、下もやわらかくてとても快適です。大きな部屋では10名以上が入りますが、一番小さい部屋は3名部屋となっており、部屋サイズは結構バラバラです。繁忙期には満員になったりするのかもしれませんが、そうでなければ、びっしり人で埋まるというケースはあまりないでしょうから、これだけのスペースが一人分で確保されていれば、十分快適だろうと思います。コンセントはなんと1名あたり2つの挿し口があります。指定寝台でも1つなのに、凄いですね。

ちなみに、先代の「フェリーとしま」の2等室はこんな感じ。作中で登場するのは先代の「フェリーとしま」であるため、基本的に現在就航中の「フェリーとしま2」に乗船しても、カットは回収できません。2015年に乗船した際に、写真を撮影しておいたので、こちらはその時の写真です。
■女性専用寝台

1Fの右舷、中心よりにあります。女性専用なので詳細どうなっているか不明ですが、窓の外から撮った写真、あとから確認したらこれが女性専用の部屋だったようです。通常の指定寝台とは少し構造が違っています。こちら、女性が指定寝台料金を支払った際に誘導される部屋なんですかね!?ちょっと分からないです。女性に生まれ変わったら、乗ってみたいと思います。
■多目的室




1階に3室がある多目的室です。75歳以上の高齢者・障害者・要介護者の方が利用できる部屋になります。先代の「フェリーとしま」は2000年に就航し、2018年まで18年にわたって運用されました。本船は2018年に就航しましたが、同じように18年使用されると、その頃には2036年になります。超高齢化社会を迎える中で、僻地の離島のそれはことさらです。そういったことまで見越して、こういった部屋にかなりのスペースを割いているのかなと思いました。
■レストラン・売店
さて、ここからはパブリックスペースの紹介です。先ずはレストラン・売店です。

鹿児島から乗船の際は、出港後30分後まで、つまり23時30分まで営業し、翌朝6時30分から13時まで営業します。




こちらがカウンター。ここで食事を注文し、完成すると呼び出されるシステムです。食事類のほか、お菓子やお土産も多少販売されていました。

メニューはこんな感じ。




席の方はこんな雰囲気です。私が乗船した日は乗客は100名はいない位の感じでした、乗船後はほぼ満席といった感じで賑わっていました。

作中で登場する先代の「フェリーとしま」とは、かなり雰囲気が違います。

「フェリーとしま2」では半分が座敷席になっているが特徴的です。マットレスなんかも置かれていて、場合によりこの座敷も客室に変更可能な仕様といった感じです。

そのまま「レストラン・売店」もある2階のパブリックスペースを紹介します。
■パブリックスペース




こちらが2階の中心部、なんていったらいいんでしょう。ロビー的なスペースです。椅子が沢山ならんでいて、ゆったりとできます。無料の給水機もあります。

さらに本棚もあり、漫画も結構置かれています。


岩代俊明先生の『PSYREN -サイレン-』、激アツなのも並んでます。こちらですが、以前の「フェリーとしま」にも設置されていました。しかしながら、前にはあった本が結構処分されている感じでした。できれば、ここに、「オーイ!とんぼ」を全巻設置しておいてもらいたいものですな…

エレベーターの横にはキッズルームも設置されています。私が乗船した時は上りも下りも幼子は一人も乗っておらず、使用はされていませんでした。


続いてはトレイです。新しい船だけあって、ものすごくきれいです。和式便座はありません。洋式便座が2つとなっています。

シャワールームもこの2階のトレイの場所に男女別にあります。少なくとも男性の方は1つしかありませんでした。


最後に2階にある自販機についてです。レストラン前におつまみやカップ麺の自販機が1台、レストラン内に、パン・カップ麺の自販機と、アサヒビール・アサヒ飲料の計3台の自販機が設置されています。アサヒビールの自販機には、スーパードライのほか、大口酒造のさつま焼酎<伊佐錦>も並んでいます。1階にはセブンティーンアイスもありますし、最悪、特に何も買わずに船に乗り込んでも、食べ物に困るということはないかと思います。

続いて1階のパブリックスペースです。


ちなみに1階と2階をつなぐ中央部の階段はこんな感じ。




1階の中心部分、案内所がある前のスペースです。案内所の隣には診療所がありました。診療所?診療室でなくて?と思いましたが…。このスペースにはテレビが設置されていて、その向いには自販機が3台並んでいます。コカコーラ・明治・セブンティーンアイスの3つです。自販機の横には無料の給水機も設置されています。
なお、このテレビ、放送が映ってないときは、艦橋からの映像が流れていて、船内にいながらどの辺りを航行しているのか分かるようになっていました。


船内には公衆電話もありますし、タバコの自販機もあります。本当に何も困らないです。

Wi-Fiもありましたが、自分が使った時はちょっと速度はしんどい感じだったので、普通にパケット使ってスマホいじってました…
■外部デッキ

作中はこれまで同様先代の「フェリーとしま」なので、本船とはあまり一致しないです。


2階の外部です。左の写真が左舷側、右の写真が右舷側です。


3階に該当する甲板です。船内図では「第一遊歩甲板」とも表記されています。さらにこの上に4階があるのですが、残念ながら行きも帰りも、階段は封鎖され、入ることができませんでした。船内図ですと、4階もプロムナードデッキ扱いにはなっているので、本来、一般乗船客が入れる構造にはなっている筈ですが、入れること、あるんですかね。

こんな感じで、外部の甲板はあんまりスペースがありません。そのため、港に着岸前後は、様子を眺める人だかりができて、結構写真は撮りずらいくらいでした。
■外観

まだ先代の「フェリーとしま」が就航していた際に撮影したものです。まあ、そのまんまですね。

そして、こちらは「フェリーとしま2」で比較してみたものです。基本的に似た船なので、こうやってみると正面から見た感じはそっくりですね。

同じカットで「フェリーとしま」と「フェリーとしま2」をそれぞれ並べて比較してみたものです。
こうやって見るとよく分かるかと思うのですが、先代に比べて「フェリーとしま2」の方が外部の通路が減ってるんですよね。全体的なシルエットはほぼ同じ感じです。

ということで「フェリーとしま」は以上です。
【中之島】
さて、いよいよ次はとんぼが住んでいる本作の中心的な舞台、火之島こと中之島です。冒頭で述べた様に上陸することは叶わなかったので、船上から再現できるカットのみ回収しました。

接岸した際に、デッキから外海側を撮ったものです。取材に基づいて作画されていることがよく分かります。

トカラの有人島で、警官が常駐しているのは、中之島だけとなっています。作中では、フットジョイというゴルフブランドの手袋を警官が付けているという、その後の展開に繋がる演出がなされています。右手にグローブつけてますが、左利きなのか、はたまたグローブを両手に着ける派なのか…。ってか、大事なゴルフ用品を通船作業にも転用してるんですねw実際にこの日いたお巡りさんは、素手でした。

25話で、いったん五十嵐が火之島を離れる際のカットです。船が出た直後に桟橋があのように見えることはありません。桟橋があの位置になるとすると、既に船体がかなり桟橋から離れているためです。先代の「フェリーとしま」では船首側に外部デッキが伸びていたので、その位置から見たものか、分かりやすく離別の雰囲気を出すため、桟橋の先端まで見える形で描きたかったという演出上の理由でしょう。
【悪石島】
いよいよ、今回上陸した悪石島こと悪礫島です。しかし、中之島→中之島・悪石島→悪礫島と、島の特徴をうまく表現し、さらに音の響きまで意識した名称変更は見事だと思いますね。悪礫島…なるほどぉ。

まずは、日本の特産種にして、トカラ列島のシンボル的な鳥「アカヒゲ」です。作中でも説明されている通り、十島村の村鳥にもなっています。島内を歩いていると、結構見かけるのですが、ブレなく写真に収められたのはこの1枚だけでしたね。

悪石島を船上から眺めたものです。

桟橋の様子です。先端部分のしっかりと悪石島の桟橋が再現されていることが分かります。

桟橋で通船作業をしている人達が来ている「悪」Tシャツです。作中に出てるこれは「悪」つなぎ?ですかね。


結構いろんな色のTシャツがあるみたいです。なお、この“二重の極み”を繰り出すことができるようになりそうな悪Tシャツは、悪石島自治会で2500円で販売されているようです。民宿の食堂の壁に貼ってありました。自治会とどうやってコンタクトとるんでしょう…売店すら1件もない島なのに。宿泊した民宿とかで云えばいいですかね。

桟橋に描かれている歓迎の壁画です。こちら、連載時には左側の絵しか描かれていなかったのですが、2018年にユネスコの無形文化遺産に「悪石島のボゼ」が構成要素となっている 「来訪神:仮面・仮装の神々」が登録されたことを記念して、右側の絵が追加されました。

こちらは湯泊温泉という温泉の露天風呂です。男女別に露天があるのですが、残念ながら現在は使用できない状態になっており、ボウフラが沢山沸いていました。

男風呂の方の脱衣所です。そのまんまですね。

そして、とんぼが入っていた女風呂ですが、こちらは水も抜けていて空っぽになっていました。




しかし、ご安心下さい。露天は使用できませんが(いつまでできないのか、いつから使えない状態なのか不明です)、内湯は普通に入浴可能です。露天と内湯は、ちょっとだけ離れたところにあり、繋がっているわけではありません。
こちらの温泉ですが、200円の入浴料で使用するこができます。シャワーは4つ、そんなに大きな湯舟ではありませんが、100名も住んでいない島なので、混雑して芋洗いになるということもないのでしょう。

昭和19年に学童疎開輸送中にアメリカ海軍の潜水艦の攻撃を受けて沈没し、1500名近い犠牲者を出した対馬丸の慰霊碑です。港から集落に向かう途中にあります。看板が左右入れ替わってますね。

桟橋を上からみたカットです。こちらも港から集落に向かう途中あたりかた見たものです。

旧暦7月16日に行われるボゼ祭りです。実在の場所を描写しているのか分からなかったのですが、写真の建物が作中のものとそっくりでした。悪石島のシンボル的な扱いの仮面神ボゼですが、残念ながら島内にボゼの実物や模造品等の展示物は一切ありません。唯一あるのが、桟橋のこの絵くらいです。モノが見たければ、とんぼの住む中之島にある歴史民俗博物館に行けば展示されているらしいです。

そう云えば、荷積岬というところのトレイの横にあったシャワーがなんだかボゼ感のあるデザインだったのですが、まさかこれ、意識して設置されている…?w
ということで、クタさんの造ったショートコースはプレイできませんでしたが、登場した場所は大方回ることができたかと思います。
悪石島といえば「咲-Saki-」のハッちゃんこと永水女子の薄墨初美の出身地の設定で有名ですが、“悪石の巫女”とはどの神社のことなんですかね。



悪石島には幾つか神社がありますが、神主が常駐している神社は無いそうです。島の方に訊いてみたのですが、1年交代で氏子総代が回って来て、その人が神事もやるとのこと。従って島民なら誰しも神事に関わる可能性があり、神秘の島だし女性なら「悪石の巫女」と呼んでもいいかもしれないですね
悪石島探訪は以上です。次こそは、火之島に訪問してみたいと思います。


実はトカラ列島に赴くのは初めてではなく、2015年に宝島を訪れたので2回目の訪問です。その際には本作の事は知ってはいたのですが、実は三島村に行く船に乗る予定が欠航になってしまい、セカンドプランだった十島村行きをその場で決めた為、何の準備もしていなかったのと、初訪問だったので一番奥の島まで行ってみたいという興味が勝り、宝島行きを決めました(一番奥の島まで行けば船からその他の島を全て見れるからです)。


その際には、鹿児島港の船の待合所に本作の試し読み版が置かれていたり、ポスターみたいなものも掲げられてたのですが、今回はこれらは見当たりませんでした。撤去されてしまったんですかね…。ちなみに宝島にある十島村役場の出張所にも同じポスターが掲示されており、出版社側がプロモーション展開をしていたことが伺えました。今もあるのか知りたいものです。


本作は、ゴルフ雑誌に連載されている漫画であるにも関わらず、心を揺さぶる少女の成長譚にもなっており、その面白さはホリエモンこと堀江貴文氏の折り紙付きです。漫画好きで知られる堀江氏は、以前にこの作品を書評で取り上げていました。幸い私はゴルフのルールや文化は分かるのですが、分からなくても十分に面白い漫画になっているので、是非、読んで頂きたいと思います。特にトカラ編のラストとなる7巻は、ハンカチ無しでは読めないと思いますね。この7巻はゴルフ要素が全くない巻です。
そんな訳で、ずっとそのメイン舞台たる中之島に赴きたいと思い、モデルの特定や訪問用資料なども準備を整えていたのですが、いざ宿を取ろうと思ったら、まさかの全宿満室。フェリーは週2便で空路はありませんので、中之島に上陸するには民宿の予約が必須です。十島村や三島村などの離島では、こういうケースはよくあります。元々宿泊施設が僅少であることや、工事関係者が大人数で長期滞在したりといったことが要因です(表向きはそういうことになっていますが、本当は別の事情もあったりしますね…)。


今回、往路・復路とも中之島沖にNTTコミュニケーションズグループの海底ケーブル敷設船「きずな」が停泊していたのですが、どうもこのインフラ関係工事で滞在者が多かった様で宿が取れなかったみたいです。実際、中之島では結構な数、会話の内容からNTT関係者と思われる方々が降りていきましたし、船上からも工事関係者なんかが見えました。


そんな訳で、中之島は諦めて、舞台となるもう一つの島、悪石島に赴いたというわけです。といいながら、中之島の登場箇所には港も含まれ、船上からでないと回収できないカットもありますので、それらに関してはばっちり写真に収めてきました。また、一部、鹿児島市も登場しますので、本記事で紹介するのは「悪石島」を中心に「中之島」「鹿児島港」「フェリーとしま2船内」の4か所ということになります。


早速、比較写真を…というところですが、私の別の趣味である離島訪問について発表する場がないので(自分のやっているブログはこれのみで、このブログは舞台探訪・聖地巡礼についてのみ取り上げると決めているためです)、このブログを本作の舞台に赴く人の為の交通・宿泊案内も兼ねて、「フェリーとしま2乗船記」、「悪石島訪問記」的な形で書こうと思うので、余分な要素が多く、長文になりますがお許し下さい。
実は僻地の離島というのは、これだけネットが充実した今の世にあっても、意外とWeb上に知りたい情報がなかったりするものなのです。これでも悪石島が訪問離島143島目である位には島を巡っていますので、離島訪問者の視点から、旅に必要な情報を盛り込みたいと思っているので、「おーい!とんぼ」目的ではなく本記事を訪問した人にも、参考になる内容になれば幸いと思います。
【鹿児島港】

先ずは、トカラ列島行きの船が出る鹿児島港から行きたいと思います。いがいががとんぼに嘘を付いて鹿児島に出ていく際に登場します。ドルフィンポートという複合商業施設です。

船の乗り場からすぐ近くですので、フェリーの出港まで時間を潰すのにもいい場所です。土産物屋から飲食店、雑貨から家具、呑み屋やコンビニまで何でも揃っています。フェリーの乗船開始は21時、出港は23時なのですが、こちらに入っているコンビニは21時で終了なのでご注意下さい。

鹿児島港発着の航路は多いので、船を眺めているだけで面白いですよ。しかも雄大な桜島をバックに見ることができるので。写真左手前に停泊しているのが、トカラ列島行きの村営定期船「フェリーとしま2」です。船の出発は23時ですが、初めての訪問なら日が暮れる前から港あたりをうろうろすることをオススメします。今回の旅で、鹿児島発着航路のフェリーは殆ど全部見れたんじゃなかなって感じですね。


鹿児島野―竹島・硫黄島・黒島<フェリーみしま>/鹿児島―種子島<プリンセスわかさ>


鹿児島―奄美大島・徳之島・沖永良部島・与論島・本部・那覇<フェリー波之上>/同航路<フェリーあけぼの>


鹿児島―奄美大島・徳之島・沖永良部島・与論島・本部・那覇<クイーンコーラル8>/同航路<クイーンコーラルプラス>


鹿児島―喜界島・奄美大島・徳之島・沖永良部島<フェリーきかい>/同航路<フェリーあまみ>

鹿児島―屋久島<フェリー屋久島2>
「フェリーとしま2」には浴場はありませんが、シャワー室は設置されています。ただ、有料ですし、1室しかないので、事前に鹿児島港周辺の温泉施設で湯に浸かっておくことをオススメします。鹿児島市街は桜島という絶賛活動中の活火山が目の前にあるような土地柄なので、温泉施設は充実しています。いわゆる町中の銭湯が、鹿児島の場合、普通に天然温泉なのです。港の一番近くの温泉だと「かごっま温泉」ですかね。ここは2015年に宝島に訪れた際に、フェリー乗船前に入泉しました。としま旅客待合所からちょうど1km位の場所にあります。390円という料金も魅力的です。天文館にある「ホテルニューニシノ」に併設されている天然温泉&サウナもちょうど1km位の距離です。ただし、こちらは男性専用で、料金も銭湯というより健康ランド的設定ですね。今回は悪石島から鹿児島に帰ってきた夜にこのホテルに宿泊したので、こちらも入泉しました。


ただ、実は意外と近い隠れたオススメ温泉がこちら、桜島にある国民宿舎レインボー桜島に併設された「桜島マグマ温泉」です。直線距離は3km弱ありますが、フェリーとしま2の乗船場と桜島行きのフェリー乗り場は800m程しか離れていないため、桜島港のすぐ近くにあるこちらの温泉までは徒歩での距離は1.2km位のものです。桜島フェリーの往復料金が掛かってしまいますが、たかだか片道160円ですし、入泉料は390円と割安です。市街地の銭湯的なつくりの温泉と違い、いわゆる日帰り温泉施設といった感じで、シャンプー・ボディーソープ等も設置されていますし、湯上りに休む休憩スペースもあります。今回はここで19時位まで時間を潰しました。


桜島側にいると西側が鹿児島市街になるので、錦江湾の向こうに沈む夕日を拝むことができます。日没前後の桜島フェリーも最高でした。




というわけで、こちらが鹿児島港のトカラ列島行きの船が発着する場所。実際に乗る時は夜で真っ暗なので、昼間に撮影したものです。


待合所の中はこんな感じ。こちらで乗船券を購入します。乗船開始となる21時前くらいは、結構な人の数で待合室は賑わっています。
【フェリーとしま】
さて、次は鹿児島~トカラ列島~奄美大島を結ぶフェリーについでです。トカラ列島は諏訪之瀬島に飛行場(場外離着陸場だけど…)があったりはしますが、定期運行便はなく、このフェリーが現実的には唯一の訪問手段となります。


週に2往復の運行となっており、23:00に鹿児島港を出港し、翌朝、トカラ列島の各島に寄港し、15:20に奄美大島は名瀬に到着し、翌日の深夜02:00に名瀬港を出港し、トカラ列島各島に寄って18:20に鹿児島港に着くというスケジュールになっています。そのため、島では最低1泊が必須ですが、逆に云えば島に1泊でトカラ列島に行って帰ってくる事が出来ます。週末なら金曜日23:00に鹿児島港を出港し、日曜日の18:20に鹿児島に戻ってくるスケジュールですので、平日勤務の社会人でも大阪位に住んでいればギリギリ休暇を取らずに行って帰ってくることが可能なスケジュールです。ただし、時刻表通りに船が運航すればの話ですが…。今回、私が訪問した際は定刻通りに鹿児島を出港して、定刻より15分早く鹿児島に戻って来ましたが、以前に宝島を訪問した際は1時間以上遅延しました。また、欠航・抜港のリスクもあるので、現実的には怖くてなかなか週末だけで会社員が訪問するのはリスクが高いですけどね。ただ、船が2018年に新しくなって元々の運航スケジュール自体も以前の船の時より30分も早く鹿児島に着くようになっていますし、2時間位なら遅れても、博多駅までの新幹線には間に合います。

さて、今回行きは2等の指定寝台、帰りは2等を使用しました。指定寝台は予約が出来ますので、事前に電話で予約を入れておきます。多客期でなければ満席にはならないとは思いますが、何があるか分からないですからね、離島は。イベントや祭りとか、工事とか、何かの理由で満席になる可能性もありますので。

21時から乗船が可能ですが、予約席の受付は21時までとなっているため、予約を入れた場合は21時までに乗船場の受付に行かねばなりません。ここでお金を支払い、乗船券を受け取ります。2等は往復で買えますので、基本往復で購入しましょう。島で乗船券を買うのは面倒臭いです。港で販売している訳ではなく、役場の出張所などが販売窓口です。他の島に寄るとか奄美に抜けるとかでないか限り、どうせ復路もフェリーを使う訳ですし、指定寝台は等級は同じく2等で付加料金を支払って指定寝台を取るという概念の為、往路は指定寝台、帰りは2等という形でも、往復購入可能です。指定寝台の場所は、乗船券を購入の際に指定され、右上のF-〇〇となっているところが自分の席になります。
では、それぞれの席がどんな感じかという事についてです。

フェリーとしまの客室は1階・2階となり、1等×2室、2等(指定寝台)×6室、2等×10室あります。2等室の数え方は区切れ目が微妙なところがありますが…。また、これらの通常の客室とは別途、女性専用室と75歳以上の高齢者の方用の特別室が設けられています。「多目的室」と書いてあるのがそれです。
■1等






たった2室しかない最も高いグレードのお部屋です。私が宿泊したわけではないですが、鹿児島に下船直前にこの部屋の方が出てきたので、中をお見せ頂きました。指定寝台と同じタイプのベッドが4つ並んでおり、ゆったりくつろげそうなテーブルと椅子が用意されていました。船主側に位置しており、窓からの景色もよさそうです。テレビや冷蔵庫もあり、とても快適そうでした。お金があったら是非、使ってみたい…。なお、この部屋はベッドが4つでしたが、1等のもう1室はベッドが2台の部屋だそうです。そちらは入っていないので写真はありません。
■2等(指定寝台)






A~Fまで全部で6室あり、1室につき4つの寝台があります。全室確認したわけではないですが、多分、スペース的に全室4寝台だと思います。となると、全部で24名分しかないということになり、意外と少ないなという印象です。各部屋に、テレビと時計がありますが、基本的に相部屋なので、全員同じグループでない限り、ちょっとテレビは付けにくいですかね…。同寝室のテレビに一番近い乗客がザッピングしながら、好き勝手に結構大きな音量でテレビを見ていて、正直言ってうるさかったです。消灯時間になったら勿論消してましたが、はっきり云って相部屋前提の部屋にテレビはかえってない方がありがたいと個人的には思いますね。テレビを見たい人はパブリックスペースで幾らでも見れますし。ベットはかなりふかふかで柔らかいです。照明とコンセントも各寝台にありますので、何も困ることはありません。2等の料金にプラス4000円で指定寝台が利用できます。
■2等






最低ランクの2等でもこのクオリティ。各自にマットレスがあり、下もやわらかくてとても快適です。大きな部屋では10名以上が入りますが、一番小さい部屋は3名部屋となっており、部屋サイズは結構バラバラです。繁忙期には満員になったりするのかもしれませんが、そうでなければ、びっしり人で埋まるというケースはあまりないでしょうから、これだけのスペースが一人分で確保されていれば、十分快適だろうと思います。コンセントはなんと1名あたり2つの挿し口があります。指定寝台でも1つなのに、凄いですね。

ちなみに、先代の「フェリーとしま」の2等室はこんな感じ。作中で登場するのは先代の「フェリーとしま」であるため、基本的に現在就航中の「フェリーとしま2」に乗船しても、カットは回収できません。2015年に乗船した際に、写真を撮影しておいたので、こちらはその時の写真です。
■女性専用寝台

1Fの右舷、中心よりにあります。女性専用なので詳細どうなっているか不明ですが、窓の外から撮った写真、あとから確認したらこれが女性専用の部屋だったようです。通常の指定寝台とは少し構造が違っています。こちら、女性が指定寝台料金を支払った際に誘導される部屋なんですかね!?ちょっと分からないです。女性に生まれ変わったら、乗ってみたいと思います。
■多目的室




1階に3室がある多目的室です。75歳以上の高齢者・障害者・要介護者の方が利用できる部屋になります。先代の「フェリーとしま」は2000年に就航し、2018年まで18年にわたって運用されました。本船は2018年に就航しましたが、同じように18年使用されると、その頃には2036年になります。超高齢化社会を迎える中で、僻地の離島のそれはことさらです。そういったことまで見越して、こういった部屋にかなりのスペースを割いているのかなと思いました。
■レストラン・売店
さて、ここからはパブリックスペースの紹介です。先ずはレストラン・売店です。

鹿児島から乗船の際は、出港後30分後まで、つまり23時30分まで営業し、翌朝6時30分から13時まで営業します。




こちらがカウンター。ここで食事を注文し、完成すると呼び出されるシステムです。食事類のほか、お菓子やお土産も多少販売されていました。

メニューはこんな感じ。




席の方はこんな雰囲気です。私が乗船した日は乗客は100名はいない位の感じでした、乗船後はほぼ満席といった感じで賑わっていました。

作中で登場する先代の「フェリーとしま」とは、かなり雰囲気が違います。

「フェリーとしま2」では半分が座敷席になっているが特徴的です。マットレスなんかも置かれていて、場合によりこの座敷も客室に変更可能な仕様といった感じです。

そのまま「レストラン・売店」もある2階のパブリックスペースを紹介します。
■パブリックスペース




こちらが2階の中心部、なんていったらいいんでしょう。ロビー的なスペースです。椅子が沢山ならんでいて、ゆったりとできます。無料の給水機もあります。

さらに本棚もあり、漫画も結構置かれています。


岩代俊明先生の『PSYREN -サイレン-』、激アツなのも並んでます。こちらですが、以前の「フェリーとしま」にも設置されていました。しかしながら、前にはあった本が結構処分されている感じでした。できれば、ここに、「オーイ!とんぼ」を全巻設置しておいてもらいたいものですな…

エレベーターの横にはキッズルームも設置されています。私が乗船した時は上りも下りも幼子は一人も乗っておらず、使用はされていませんでした。


続いてはトレイです。新しい船だけあって、ものすごくきれいです。和式便座はありません。洋式便座が2つとなっています。

シャワールームもこの2階のトレイの場所に男女別にあります。少なくとも男性の方は1つしかありませんでした。


最後に2階にある自販機についてです。レストラン前におつまみやカップ麺の自販機が1台、レストラン内に、パン・カップ麺の自販機と、アサヒビール・アサヒ飲料の計3台の自販機が設置されています。アサヒビールの自販機には、スーパードライのほか、大口酒造のさつま焼酎<伊佐錦>も並んでいます。1階にはセブンティーンアイスもありますし、最悪、特に何も買わずに船に乗り込んでも、食べ物に困るということはないかと思います。

続いて1階のパブリックスペースです。


ちなみに1階と2階をつなぐ中央部の階段はこんな感じ。




1階の中心部分、案内所がある前のスペースです。案内所の隣には診療所がありました。診療所?診療室でなくて?と思いましたが…。このスペースにはテレビが設置されていて、その向いには自販機が3台並んでいます。コカコーラ・明治・セブンティーンアイスの3つです。自販機の横には無料の給水機も設置されています。
なお、このテレビ、放送が映ってないときは、艦橋からの映像が流れていて、船内にいながらどの辺りを航行しているのか分かるようになっていました。


船内には公衆電話もありますし、タバコの自販機もあります。本当に何も困らないです。

Wi-Fiもありましたが、自分が使った時はちょっと速度はしんどい感じだったので、普通にパケット使ってスマホいじってました…
■外部デッキ

作中はこれまで同様先代の「フェリーとしま」なので、本船とはあまり一致しないです。


2階の外部です。左の写真が左舷側、右の写真が右舷側です。


3階に該当する甲板です。船内図では「第一遊歩甲板」とも表記されています。さらにこの上に4階があるのですが、残念ながら行きも帰りも、階段は封鎖され、入ることができませんでした。船内図ですと、4階もプロムナードデッキ扱いにはなっているので、本来、一般乗船客が入れる構造にはなっている筈ですが、入れること、あるんですかね。

こんな感じで、外部の甲板はあんまりスペースがありません。そのため、港に着岸前後は、様子を眺める人だかりができて、結構写真は撮りずらいくらいでした。
■外観

まだ先代の「フェリーとしま」が就航していた際に撮影したものです。まあ、そのまんまですね。

そして、こちらは「フェリーとしま2」で比較してみたものです。基本的に似た船なので、こうやってみると正面から見た感じはそっくりですね。

同じカットで「フェリーとしま」と「フェリーとしま2」をそれぞれ並べて比較してみたものです。
こうやって見るとよく分かるかと思うのですが、先代に比べて「フェリーとしま2」の方が外部の通路が減ってるんですよね。全体的なシルエットはほぼ同じ感じです。

ということで「フェリーとしま」は以上です。
【中之島】
さて、いよいよ次はとんぼが住んでいる本作の中心的な舞台、火之島こと中之島です。冒頭で述べた様に上陸することは叶わなかったので、船上から再現できるカットのみ回収しました。

接岸した際に、デッキから外海側を撮ったものです。取材に基づいて作画されていることがよく分かります。

トカラの有人島で、警官が常駐しているのは、中之島だけとなっています。作中では、フットジョイというゴルフブランドの手袋を警官が付けているという、その後の展開に繋がる演出がなされています。右手にグローブつけてますが、左利きなのか、はたまたグローブを両手に着ける派なのか…。ってか、大事なゴルフ用品を通船作業にも転用してるんですねw実際にこの日いたお巡りさんは、素手でした。

25話で、いったん五十嵐が火之島を離れる際のカットです。船が出た直後に桟橋があのように見えることはありません。桟橋があの位置になるとすると、既に船体がかなり桟橋から離れているためです。先代の「フェリーとしま」では船首側に外部デッキが伸びていたので、その位置から見たものか、分かりやすく離別の雰囲気を出すため、桟橋の先端まで見える形で描きたかったという演出上の理由でしょう。
【悪石島】
いよいよ、今回上陸した悪石島こと悪礫島です。しかし、中之島→中之島・悪石島→悪礫島と、島の特徴をうまく表現し、さらに音の響きまで意識した名称変更は見事だと思いますね。悪礫島…なるほどぉ。

まずは、日本の特産種にして、トカラ列島のシンボル的な鳥「アカヒゲ」です。作中でも説明されている通り、十島村の村鳥にもなっています。島内を歩いていると、結構見かけるのですが、ブレなく写真に収められたのはこの1枚だけでしたね。

悪石島を船上から眺めたものです。

桟橋の様子です。先端部分のしっかりと悪石島の桟橋が再現されていることが分かります。

桟橋で通船作業をしている人達が来ている「悪」Tシャツです。作中に出てるこれは「悪」つなぎ?ですかね。


結構いろんな色のTシャツがあるみたいです。なお、この“二重の極み”を繰り出すことができるようになりそうな悪Tシャツは、悪石島自治会で2500円で販売されているようです。民宿の食堂の壁に貼ってありました。自治会とどうやってコンタクトとるんでしょう…売店すら1件もない島なのに。宿泊した民宿とかで云えばいいですかね。

桟橋に描かれている歓迎の壁画です。こちら、連載時には左側の絵しか描かれていなかったのですが、2018年にユネスコの無形文化遺産に「悪石島のボゼ」が構成要素となっている 「来訪神:仮面・仮装の神々」が登録されたことを記念して、右側の絵が追加されました。

こちらは湯泊温泉という温泉の露天風呂です。男女別に露天があるのですが、残念ながら現在は使用できない状態になっており、ボウフラが沢山沸いていました。

男風呂の方の脱衣所です。そのまんまですね。

そして、とんぼが入っていた女風呂ですが、こちらは水も抜けていて空っぽになっていました。




しかし、ご安心下さい。露天は使用できませんが(いつまでできないのか、いつから使えない状態なのか不明です)、内湯は普通に入浴可能です。露天と内湯は、ちょっとだけ離れたところにあり、繋がっているわけではありません。
こちらの温泉ですが、200円の入浴料で使用するこができます。シャワーは4つ、そんなに大きな湯舟ではありませんが、100名も住んでいない島なので、混雑して芋洗いになるということもないのでしょう。

昭和19年に学童疎開輸送中にアメリカ海軍の潜水艦の攻撃を受けて沈没し、1500名近い犠牲者を出した対馬丸の慰霊碑です。港から集落に向かう途中にあります。看板が左右入れ替わってますね。

桟橋を上からみたカットです。こちらも港から集落に向かう途中あたりかた見たものです。

旧暦7月16日に行われるボゼ祭りです。実在の場所を描写しているのか分からなかったのですが、写真の建物が作中のものとそっくりでした。悪石島のシンボル的な扱いの仮面神ボゼですが、残念ながら島内にボゼの実物や模造品等の展示物は一切ありません。唯一あるのが、桟橋のこの絵くらいです。モノが見たければ、とんぼの住む中之島にある歴史民俗博物館に行けば展示されているらしいです。

そう云えば、荷積岬というところのトレイの横にあったシャワーがなんだかボゼ感のあるデザインだったのですが、まさかこれ、意識して設置されている…?w
ということで、クタさんの造ったショートコースはプレイできませんでしたが、登場した場所は大方回ることができたかと思います。
悪石島といえば「咲-Saki-」のハッちゃんこと永水女子の薄墨初美の出身地の設定で有名ですが、“悪石の巫女”とはどの神社のことなんですかね。



悪石島には幾つか神社がありますが、神主が常駐している神社は無いそうです。島の方に訊いてみたのですが、1年交代で氏子総代が回って来て、その人が神事もやるとのこと。従って島民なら誰しも神事に関わる可能性があり、神秘の島だし女性なら「悪石の巫女」と呼んでもいいかもしれないですね
悪石島探訪は以上です。次こそは、火之島に訪問してみたいと思います。


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