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水野と茶山(袋井・掛川・静岡)【舞台探訪・聖地巡礼】

月刊コミックビームで2018年11月号~ 2020年1月号まで連載された西尾雄太先生の百合漫画「茶山と水野」の舞台である静岡県袋井市を訪ねて来ました。西尾雄太先生は舞台モデルとなっている袋井市のご出身(ツイッターでも度々話題にはしているので出身地は公開しているという認識ですが…)で、本作の舞台に選んだのだと思われます。
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作中では「浅場町」となっていますが、これは現在の袋井市に合併する前の「浅羽町」がモデルと考えて差し支えないかと思います。現在の袋井市の南側が旧浅羽町のエリアで、2005年に平成の大合併で袋井市と合併し、自治体としては消滅しました。 ‟水”と”茶”しか取り柄のない町という設定になっていますが、牧之原市とか菊川市みたいなとにかくお茶!という町と比べると、お茶のイメージは実際にはそこまで濃くない気もします。温室メロンなんかも有名ですし。もちろん、お茶畑は沢山ありますが、茶畑が広がるエリアは旧浅羽町というより、岡崎とかなので、旧笠原村ですかね。

というわけで、作中でも「駿遠ゼミナール」とか「中日新聞」ぽいものが出てきたりと、静岡県西部地域が舞台であるということは匂わされているわけですが、メインの舞台ともいえる学校のモデルだけは、静岡市にありました。あと、茶山の自宅もお隣の掛川市ですね。
というわけで、比較画像です。

【秀英予備校袋井駅前校】
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5話。静岡県に本社のある集英予備校の校舎。作中では「駿遠ゼミナール」となっていました。

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5話。浅羽町にはこんな大きな校舎の塾はなく、合併した袋井市の中心部の方にあります。

5話6
5話。この塾は十字路の角にあり、塾前から西側を向いた風景になります。

【ローソン袋井駅前通店】
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5話。上述の塾の向いにあるコンビニです。

5話5
5話。家庭ゴミを持ち込まないように!

【袋井B&G海洋センター】
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12話。本作でもっとも特定が簡単だったのがこのカット。B&Gって作中に書いてありますからね。

【ウエルシア袋井諸井店】
3話2
3話。県道41号線沿いにあるドラッグストアです。昔は高田薬局という静岡本社のドラッグストアが経営するウィンダーランドというお店だったんですがね。

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8話。なぜか2度も登場するこのドラッグストア…

【荻原サイクル】
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8話。こちらも県道41号線沿いにあります。ローソン袋井浅羽店の前から県道の対面を見るとこんな風景です。HONDAと書いてあるのが萩原サイクルというショップ。

【村松肥料】
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15話。これまた県道41号線沿いの風景です。作中の道路標識でも41号線が描かれていますね。村松肥料というお店の前あたりから北側を見るとこんな感じ。。こちらのカットですが、実在の風景を水平方向に反転させたものだったので、写真も左右に反転させてあります。てなわけで、本来は道路標識は裏向きになっており見えません。裏側の看板の内容も作中とは一致してませんでした。

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15話。シャッターが閉まっているのが村松肥料店。

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15話。写真右奥に見えている標識が上述の左右反転のカットと同じ標識です。

【農家の店しんしん袋井店】
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3話。田舎町を表現するために背景としてチョイスしたのかなという感じですね。田舎の閉塞感を演出するため、袋井市はJRの駅や海もある自治体なのですが、あえて、空間の広がりを想像させる描写を避けている様に感じられました。

【茶畑】
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1話。本作で重要な意味を持つ“茶畑”。おそらく、実在の風景を参考にしているのだと思いますが、さすがに茶畑の出てくるカtットは難問過ぎて見つけ出すことはできませんでした。ですので、雰囲気だけ。

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1話。“水と茶しか取り柄の無い小さな町”という設定の浅葉町こと浅羽町は、実際にかなり茶畑が沢山ある町です。浅羽町の中心部である県道41号線から東側の山間部に向かっていくと、写真のような茶畑の風景がいたるところで見られます。

2話1
2話。水野の自宅の前。何となく雰囲気が近い場所ならいくらでもあります。なんせ茶畑だらけなので。これも実在の場所が何処かにあるのだと思います。いずれにせよ、現地に赴けば、作中の雰囲気は十分に味わえます。

【清水邸庭園】
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6話。茶山の自宅。こちら、旧浅羽町でもなく現袋井市でもなく、お隣の掛川市の旧大須賀町にありました。

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9話。庭園の門の部分です。このカットも左右反転させてあったため、比較用の写真も反転させてあります。6話で出てきた時は反転はなかったので、作中内で矛盾が生じてしまっています。

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6話。こちらの庭園、かなり大きな敷地ではあるのですが、周辺の垣根の部分は一致せず、門部分だけ参考にしたと思われます。

【旧静岡南高校(ふじのくに地球環境史ミュージアム)】
4話1
4話。学校の入口です。旧浅場町内に高校は存在しないのですが、それ以上にモデルとして使用されている旧静岡県立静岡南高等学校が、取材もしやすいし、現在は現役の高校ではないということで、作品の性質状、使い勝手が良かったのかもしれません。静岡南高校は2013年3月に閉校し、現在は「ふじのくに地球環境史ミュージアム」という県立の博物館になっているのですが、高校時代の校舎をそのままリノベーションして博物館に使用しているため、誰でもいつでも、旧校舎を間近で見ることができるのです。校門の前も坂になっていて、絵になる風景でもあるものですから、綾瀬はるか・平岡祐太が出演しているMr.Childrenの「未来」のPVでも登場したことがあったりします。

1話1
1話。ミュージアム内にあった校舎の模型と比較してみました。校庭の形から校舎の位置関係まで、本作ではそのまま参考になっていることが分かります。

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14話。上述の模型との比較。ほんとそのまんまですね。

2話4
2話。お次は校舎の外観。

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8話。駐車場から校舎側を見た図です。

2話10
2話。左手に見えるのが体育館。バスケットゴールなんかの描写もあったので、確かめたかったのですが、中には入れません。

2話11
2話。校舎と駐車場…つまり当時は校庭だった場所を繋ぐ階段。

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7話。上述の階段と同じ階段です。学校にありがちな銅像みたいなものが作中でも描かれています。

1話7
1話。以降は校舎内のカットです。「ふじのくに地球環境史ミュージアム」の入館料、600円を払って内部に入りましょう。

1話8
1話。この学校の中の何処かだとは思うのですが、完全に一致する場所を見出せませんでした。まあ、こんな感じかな。

9話2
9話。窓の向こうの渡り廊下の状況から見ても、この場所で間違いないかとは思います。ただ、水場はありませんでした。これ、元々学校だった時代は存在したのか、あるいはもともとないけれども、アレンジして描いたかですね。確かに何かあったであろう、謎のスペースです。

2話5
2話。上述の水道がある場所の近く。

2話6
2話。正面玄関近くの階段の踊り場。この部分は無料で入れるエリアになります。

9話1
9話。玄関近くの広いスペース。左手はかつて下駄箱だった場所と思われます。

10話1
10話。これも間違いなく参考にしてますね。

5話1
5話。「図鑑カフェ」という広い教室があり、そこから校門側を見下ろした図。かつては図書室だった部屋なんでしょうか。広々していて見晴らしもよいカフェです。

6話2
6話。最後は教室内。細かい構造物がしっかりと一致しており、静岡南高校の教室を参考にして描かれていることは間違いなさそうです。このミュージアムはかつての教室がそのまま展示室になっており、部屋によっては黒板や机・椅子も残っています。

7話4
7話。学校自体は3階建てなのですが、ミュージアムとして開放されているのは2階までです。もしかしたら、当日の教室がそのまま残っているのところもあるかもしれません。一部校内カットは探し回っても一致するところが見つけられませんでしたし、普段は入れない部分が参考になっている可能性も否定はできません。

ということで、比較は以上です。橋のカットを中心に、特定しきれない場所がいくつもありましたが、県道41号線沿いと東側の茶畑のエリアに赴くと、おおむね本作の雰囲気は体感できるかと思います。田舎…と云いながら山間部とか漁村とかいうわけでもなく、手の届くところにコンビニや塾がある程度の田舎感がとてもリアルで、読みながら自身の高校時代に重ねる読者は多いのではないかと思いました。“百合”とか“ガールズラブ”なんて言葉を使うと短絡的ですが、そういった要素を除いても、閉鎖的な田舎で虐げられながらも前を向く若者の青春譚として見ても、十二分にストーリーが成立しており、そっち系は苦手…という人でも面白く読める作品であると確信します。また是非、地元を舞台に作品を描いて欲しいですね。
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Author:スカイDJ
※2015年春頃までに作成した記事についているMAPがGoogleの何らかの仕様変更で現在閲覧不能になっております。申し訳ございません(_ _)作成者である私自身も地図にアクセスできない状態なのです。

アニメや漫画の舞台を巡って旅する旅行中毒者。B級スポット・離島・神社・水族館なども好物です。

・BTC舞台探訪者コミュニティ関西支部所属
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